ジェンダー平等と多様性の違い
話題が事欠かない昨今ジェンダーの平等や多様性に関して関心を寄せる人も多いのではないでしょうか。しかし、ジェンダーの平等や多様性の定義や違いは何でしょうか・
今回は今さら聞けないジェンダーの平等、多様性の違いと、これらを両立していくことの難しさや課題点について紹介していきたいと思います。
ジェンダー平等、ジェンダーの多様性とは
まず、ジェンダー平等と多様性という用語についてです。
ジェンダー平等とは、ジェンダー(文化・社会的な性)に関わらず、機会をはじめとした社会上の権利が平等に分け与えられるようにすることです。具体的には、性によらず賃金格差や昇進格差の解消などが考えられます。
ジェンダーの多様性は、生物学的な男女という2つの性だけでなくジェンダーには、無数の性が存在しうるという事を理解することです。具体的にはLGBT(レズビアン、ゲイ、バイ、トランスジェンダー)が代表的なものとして挙げられますが、実はもっと種類は多くLGBT++など全17以上の呼称があると言われています。
ジェンダー平等と多様性の両立の難しさ
ジェンダーの多様性を学べばジェンダー平等についても学べていると考える人がいますが、それは少し異なります。例えば、ジェンダーの多様性の中に女性管理職を増やしましょうという思想を含むことがありますが、実は女性管理職を増やすという表現そのものがジェンダーバイアスを助長するという観点があります。海外では、管理職になるために女性だけが研修を受けなければいけないということを表現しているかのようで、むしろバイアスを強化してしまいます。一方で、ジェンダー平等の視点では、そのようなものはありません。女性のみが受ける研修というのは存在せず、ジェンダーについてすべての性の人が当事者であり、すべての性の人が受講者です。
ジェンダー平等、多様性が両立した社会を実現するために
ジェンダーの平等を伝えるときにLGBTの方の存在を無視して、男性か女性か、の二択にするとそれはジェンダー平等という社会をよくする活動に見えて、実は多様性社会を遠ざけます。
また、前述の通りジェンダーの多様性研修と言いながら、女性管理職を増やそう!などの動きがあればそれはジェンダー平等を遠ざけるものです。
つまり、SDGSの目標でもあるジェンダー平等を遠ざけず、多様性な生き方を尊重していくためには、それぞれの目的にあったジェンダー平等、ジェンダー多様性を学んでいく必用があります。
そうした多様性の中でジェンダーの平等な社会を実現するためには、会社をはじめとした組織での工夫や、多くの人に知識を持ってもらう必要があります。
ジェンダーの多様性の研修を行っていれば、企業におけるジェンダー問題の対策は安心、ではなく、ジェンダーの多様性とジェンダーの平等はそもそも目的が異なることを理解し、それぞれ企業対策が必要です。
企業の社会問題としてジェンダー視点が必須になっている今、ジェンダー問題への対策が急務です。未来を見据えた経営にとってジェンダー平等とジェンダー多様性の両立を目指す活動は、大きなアドバンテージになることは言うまでもありません。
ライター:shoma tokuyama