平等社会へと社会がシフトする時起きること
2021年の流行語大賞では『ジェンダー平等』が選定され、世の中はジェンダー平等に関するニュースや広告が増えてきています。
社会がジェンダー平等にシフトする時、必ずしも皆が前向きではありません。あなたはジェンダー平等に対してポジティブですか、それともどこか息苦しさを感じネガティブな気持ちになりますか。
人間は今までとは違った環境や価値観の移行に伴ってストレスになってしまうことがあります。今回は、女性の社会進出に伴って男性にかかる負担「メンズクライシス」とは何か、についてご紹介していきます。
メンズクライシスとは
メンズクライシスとは広辞苑で引くと、『男性危機』という意味です。女性の社会参画において男性にかかる負担から生じる問題のことを指します。例えば自立した女性が増えることによる離婚率の増加や、男性に優先的に割り当てられていたポストが相対的に減少することなどが考えられます。男性主導で引っ張ってきた社会からの変化に伴い意識面でも、物理的な面でも男性に負担がかかる状況になっているのは間違いないでしょう。
メンズクライシスはなぜ起きるのか
メンズクライシスが起きる原因は様々考えられます。社会の構造的な問題もありますが、より問題として考えられているのは長年社会で培われた『認識の違い』ではないでしょうか。例えば、年齢的により男性特権的価値観に長くいた人や所属している企業によっては、男女平等社会へ移行した時、自身が培ってきた感覚とギャップを感じるかもしれません。長年培われた感覚を急に変えようとすると、どうしても心理的に負荷がかかります。
こうした認識の違いを変えようとした時に生じる心理的な負担がメンズクライシスにおいて大きな要因になっています。
メンズクライシスの対策について
男性の不安や焦りをケアできるような機関が必要です。例えば、スウェーデンでは1986年時点で男性のための相談センターが設立されました。日本でも男女平等社会の促進に向け、男性の不安や焦りをケアできるようなシステムが必要だといえるでしょう。
もう一つに意識のギャップを埋めるような施策が必要になると考えています。女性のエンパワーメントによって、男性にどのような影響が出るのかという事について明確化すると良いでしょう。「よくわからないけど迫害されている」感覚も軽減できるはずです。詳しく企業のジェンダーセミナーを通じて学ぶことでより親しみやすくなるのではないでしょうか。
ジェンダー平等を目指す時、もちろん男性は重要な当事者です。ニュースを見ていると、ジェンダー平等関連のトピックに噛みつく地位や肩書のある男性を見かけることがあります。それはもしかしたらメンズクライシスのわかりやすい表れかもしれません。現在企業において高い地位にあることの多い、上の年齢層の男性ほど、今あるものを失うのではないか、という社会の変化に不安や焦りを感じるものです。悩むのは女性だけではなく、LGBTQの方だけではなく、男性なのです。
まとめ
ジェンダー平等の社会実現のためにするべきことは、男性側の不安や焦りを解消することが大切です。彼らの不安や焦りが解消され、ジェンダー平等の価値を理解し、認め、行動へ変えるようになった時、社会は初めてジェンダー平等へと近づくでしょう。ジェンダー平等のカギは女性だけではなく、男性こそ当事者であり男性の理解こそ重要なことがわかるはずです。
ライター:Shoma Tokuyama
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