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マイクロアグレッションと企業の取り組み

ジェンダー、人種への差別は人への攻撃である

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 近年では様々な差別について耳にすることも多いかと思います。少し前にジョージ・フロイドさんの事件を発端として、アメリカ各地でデモが起きていたことは記憶に新しいと思います。 

 今回紹介する「マイクロアグレッション(日常的な攻撃・差別)」は差別問題の中でもとても根が深く、表層的な反差別の潮流だけではぬぐい切れないものになっています。日常的に行われる、主に無意識での差別は少しずつ人を傷つけていき、ジェンダー問題とも関係性が深い分野です。読者の皆様もそういったことをしたりされたりした経験もあるかもしれません。 

 こういった問題があるという事を知ることで少なからず予防することができますし、企業は差別やジェンダー平等などのコンプライアンスを厳守しなければいけなくなっているなかで、「無意識に引き起こされる差別」というのは致命的な問題を起こしかねません。今回の記事ではわかりやすく簡単に紹介していきます。

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 マイクロアグレッションとは何か

マイクロアグレッションとは、日本語で訳すと「小さな(マイクロ)攻撃性(アグレッション)」。主にマイノリティに対する「日常的に行われる差別」「意図しない差別」のことを言い、1970年代のアメリカで精神医学者により提唱された言葉です。小さく見えて大きな問題に発展しかねないことを意味し、昨今世界中で問題視されています。

例えばアメリカでは、何か犯罪が起きると特に理由もなく性や人種を特定して名指しで批判をすることがあります。もしかしたら本人は冗談のつもりかもしれませんが、バイアスが本人を傷つける結果を引き起こし問題になりかねません。 

もっと日常に即した場面で使うなら高い役職をもつ女性に対して「女性なのに頑張っているね」や、日本で生まれ育った黒人に対して「日本語がうまいね」などバイアスを暗示するような表現が当たります。人種や国籍だけでなく、ジェンダー平等など様々な問題に発展する可能性のある差別です。 

 

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放置は危険、気が付けば多くの人を傷つけているかも 

マイクロアグレッションは日常的に行われている差別であるとともに、発言している本人に差別意図がないことも問題になっています。「女性なのに頑張っているね」といった発言において発言した本人は褒めているつもりかもしれませんが、言われた人は嫌悪感や不快感を覚えているかもしれません。 

「小さなことで気にし過ぎではないか」と言う人がたまにいます。しかし、マイクロアグレッションに晒されることが高頻度で発生していけば気にしていないつもりの人ですら、とても強いストレスを受けて心身における不調を引き起こすことが分かっています。当然、マイクロアグレッションは発言した人や会社の信頼を失墜させることにもつながります。 

●マイクロアグレッションの種類

性に関するマイクロアグレッション

・(結婚していると伝えた際に)「旦那さんはどんな人なの?」

・「あなたがLGBTQだなんて意外!」

・「社会はすでに男女平等で、誰にでも均等にチャンスはある」

・恋愛の話をしない人を、LGBTと決めつける

人種・国に関するマイクロアグレッション

・「あなたの肌の色は全く気にならない」

・(外国人に見える人に対して)「どこの国から来たのですか」

その他のマイクロアグレッション

・目が見えない人に対して大きな声で話す

・「お父さんお母さんに伝えてね」(両親がそろっていて異性の夫婦であるという決めつけ)

・「クリスマスは家族で集まるよね?」(宗教の決めつけ)

・「たったそれだけの食事で足りるの?」(大柄な人に対して)

 

「気づかないなら仕方がない」と言って放置すると、マイクロアグレッションを多数の人に行ってしまい、リスクや被害は拡大していきます。また、日常的に行われる差別が少しずつ社会的なバイアスとして定着し、人種差別やジェンダー平等といった大きな価値観や問題にも影響を及ぼしていきます。 

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マイクロアグレッションを防ぐための対策 

マイクロアグレッションを簡単に改善することはできません。しかし差別に関する基本的な知識をつけることがマイクロアグレッションの重要な対策になります。これらはジェンダーバイアスを含むジェンダー問題とも大きく関係をしています。これからは企業の教育のひとつとして大切になってくる領域と言えるでしょう。

ライター:shoma tokuyama

 

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