今回はZ世代の学生にジェンダーに関する就職活動、働き方、教育、時事ニュースを見てどう考えるのか、一般社団法人パートナーシップ協会のインターン生に本音で語ってもらいました。
メンバーは
徳山さん(慶応義塾大学4年生)
長谷川さん(青山学院大学4年生)
王さん(東京外国語大学大学院2年生)
ー本日はよろしくお願い致します。
徳山さん(以下、徳山):よろしくお願い致します。
長谷川さん(以下、かな):よろしくお願い致します。
王さん(以下、王):楽しみにしてきました!
Z世代のジェンダー意識のリアル
―早速ですが、普段、ジェンダーについて問題意識を感じることはありますか?
徳山:感じることは少ないですね。
長谷川:私も特に、強くは感じないです。でもインターンをしていた時に、ジェンダー平等とは何かを感じる機会がありました。営業に力を入れている会社だったのですが、営業部にいるのが全員男性でした。理由を聞くと、労働時間、体力的にも女性は入りづらい環境だからだそうです。一方で、営業のフォローはほとんどが女性でした。女性がフォローにまわると、クレームが少ないそうです。
王:今は性的な職業役割が問題になっていますが、まさにそれですね。クレームが少ないというのが主観的なものではなく、定量的な計測の結果だったとすると、女性がフォローにまわる職業役割がどうしても合理的に見えてしまう。
松阪:最近は「ジェンダー平等」という言葉ばかりが独り歩きをして、データに基づく理にかなった職業役割なのか、バイアスによる職業役割で本当は理に適っていないのか、事実と裏付けになる根拠をしっかりと確認をする必要がありますよね。
例えば男性の心理士が、男性は論理的で感情をくみ取るのが苦手だから心理士に向いていないかと言えばそうとも限りません。女性よりも相手の感情を汲み取ることが上手な男性は多くいます。
もしかしたらフォローにまわるのが女性よりも男性が得意な可能性があります。性別よりも個人差が大きいと言われる事実を無視してしまっているのかもしれません。
就職活動とジェンダー平等
―就職活動で「ジェンダー」の観点を気にすることは多いのでしょうか。
徳山:私はジェンダー平等企業のジェンダーギャップに関する条件についてあまり気にしてはいませんでした。やりたいことができるかといったことが重要で、それ以外のことについて活動したければ仕事とは別ですればいいと思います。ただ、ジェンダーの平等を意識した採用活動を行っている企業は増えていると思います。実際私が就職する会社はIT系ですが、新卒入社の男女比は同じくらいです。
長谷川:私はジェンダーの平等を意識して就職活動を行いました。特に女性の管理職比率などを見ていました。自分が長く勤めた場合、出産などのイベントをこなしてもさらにキャリアアップできる土壌があるのかが気になったからです。
かといってキャリアチェンジを考えていないかと聞かれれば、むしろ積極的で、若いうちから様々な経験がしたいと考えています。ただ、人生をどのように生きて、どんな選択をしてもキャリア形成できるような選択肢が取れる会社かとうかを見極めていました。
王:育休の取得率も見るようにしています。取得率と言っても、男性が1人申請して1人取得すれば、それは100%になってしまいます。人数も確認した上で、企業選びをしたいです。
長谷川:確かに育休の取得率は見ますね!
王:ジェンダー平等や育休という観点から少し逸れますが、私は日本の永住権を取るために、とりあえず日本での3年~5年働きたいと思っています。ゆくゆくは海外でも活躍したいです。ただ、就職面接のときはずっと日本に貢献したいといわないといけないのですこし辛いですね。就職の時はおもに留学生枠に入ろうとしています。ダイバーシティの取り組みの一つとして行っている企業がありますし、海外との取引を期待されている場合も多いので、これからの私のプランともマッチしています。
日本では終身雇用が一般的であることに違和感を感じます。たとえば、「10年後どのようなことをやりたいですか」といった質問に同一の会社で働くのを前提とされているようです。あと安定志向の会社が多いですね。私も5年間は安定している会社に入りたいです。
徳山:安定しているって言っても、むこう40年安定しているなんてそうそう言えないですからね。5年とか、10年安定しているっていうのはよく売りにしている「安定」として実は現実的だったりして。
長谷川:安定って言っても会社自安定していることより、自分が成長することでどこでも対応できる安定感という考え方も増えてきていますね。何が起きても対応できる能力・スキルを伸ばすことが「真の安定」かもしれません。
まとめ
Z世代の就職活動はミレニアム世代とは異なり「ジェンダー平等」を意識したものに変わりつつあることがわかりました。もうすでに海外ではジェンダー平等の意識は進んでいます。日本でもジェンダー意識が加速した時、企業の採用活動にも大きな変化が起きるのは必然かもしれません。
続き>> Z世代に聞く!ジェンダー意識のリアルと未来~座談会【後編】