今回のテーマは「ジェンダーの平等、多様性、インクルージョンの違い」について紹介いたします。ジェンダーや人権についての用語はややこしくてわかりにくい印象がある方も多いと思います。
最近特に耳にすることの多い多様性や平等について基本的な知識を身に着けることで、考え方の整理にもなりますし、見かけたときに理解しやすくなるはずです。
ジェンダーの平等とは
「ジェンダー平等」とは、性別にかかわらず、一人一人の人間が平等に責任や権利、機会を共有できることを指しています。
このジェンダー平等の実現を妨げることが多いのが、バイアス、もしくはそれによって規定された社会的構造です。「男性はこういった作業が得意だからこれを担当して、女性はべつのもの」というふうに本人の希望や能力を度外視して機会や権利が奪われてしまうことが多くあります。そしてこれは往々にして悪意なく、無意識のうちに行われてしまうのも難しい部分になっています。
こういった問題を解決するために、弱い立場に置かれることの多かった女性をサポートすることで平等を実現しようとする「アファーマティブアクション」や「女性のエンパワーメント」といった活動や思想が存在します。
ジェンダーの多様性とは
ジェンダーとは社会的な性別を意味します。最近メディアで目にすることの多い「LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)」をはじめとしたさまざまなジェンダーの形を指します。
例えば恋愛対象になる人の性がないひとや、男女どちらでもあると感じている人、迷っている人などジェンダーの形はラベリングしてとらえられるものではなく、いくらでも存在することができます。
ジェンダーのインクルージョンとは
ジェンダーのインクルージョンは、その多様性を認め社会としてむしろそれを強みとして生かしていく活動を指します。
今までの社会構造や、固定概念では男と女という単純な2パターンのみでとらえられることも多く、性的マイノリティが身近に感じられない方も多いと思いますが、統計的には10%近い方が性的マイノリティになり、友達や家族などに複数人いるのがいたって普通のことでもあります。
しかし実際は、それをカミングアウトすると排斥されるなど、差別に合っている方が少なくなく、カミングアウトをしていなかったとしても純粋な男女を前提としたコミュニケーションに苦痛を覚えるようなことがあります。
インクルージョンの第一歩として、ジェンダー平等に基づいて、現行の男女のみで構成されることを前提とした社会構造で、不利益を被る性的マイノリティの人々がいなくなるよう勧め、すべての人間の声を尊重できるような土台を作っていくことが重要になります。
ライター:shoma tokuyama